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アニメ『アイドルマスター ミリオンライブ!』第3幕の応援上映に参加した感想

こんにちは。

先日、アニメ『アイドルマスター ミリオンライブ!』第3幕を劇場先行の通常上映で観ました。その時、第3幕は特に出来が素晴らしいことに加えて、他の章と比べてもライブシーンが豊富なこともあり、応援上映を意識して作られているのではないかという感想を抱きました。応援上映には参加したことがなかった*1のですが、ちょうど第3週からはアンコールステージも追加されるということもあり、初めて応援上映に参加してみることにしました。本記事は、その感想になります。

本作終盤の内容に触れる部分もあるので、未見の方はご注意ください。

アニメ『アイドルマスター ミリオンライブ!

アイドルマスターシリーズの一作『アイドルマスター ミリオンライブ!』のアニメ化作品。本作の先行上映では、通常の上映形式に加え、コンサートライト(ペンライト)持ち込み可能な応援上映形式を実施しています。第1幕、第2幕の応援上映も作品の舞台近辺にある「ユナイテッド・シネマ豊洲」などでは現在も実施されているそうです*2

millionlive-anime.idolmaster-official.jpまた、筆者は本家『アイドルマスター』についてはある程度知っている一方で、『ミリオンライブ!』はそれほど触れたことがありませんでした。第1幕を映画館で観た感想については以前書いた記事↓を参照。

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応援上映という体験

応援上映形式は初めてでしたが、なるべく通常の映画の延長として観たかった*3ので、いきなり慣れた人が集まりそうな場所に行くのはやめておこうと思い、小さめのスクリーンのそこまで埋まっていない回を選びました*4。また、客席のペンライトの様子を眺めたい気持ちから、後方の座席を選択しました。ミリオンライブのペンライトは持っていなかったので、実際に使うかは周りの様子次第だと思いつつ、遥か昔に購入し眠っていた765PRO ALLSTARSの公式サインライト*5を念のため何本か持って行くことにしました。

拍手や手拍子での一体感

最初に良かったのは、上映前の青葉美咲さんによるアナウンスが終わっていよいよ上映が始まる瞬間、劇場内に巻き起こった拍手です。楽しみな場面、素晴らしいと思った場面、作中で拍手が巻き起こっている場面で、自然な気持ちで拍手を送れるのは気持ちが良いですね。拍手の良いところは、場面さえ選べば負の影響を与えることなく、個性も出ず、他の人と合わされば大きな一体感を生むところだと個人的に思います。その後も、エピソードの区切り*6や、楽曲が披露されたタイミング等では拍手が巻き起こっていました。

そして、OP曲の『Rat A Tat!!!』もまた、手拍子を推奨するような楽曲でした。応援上映には(筆者含め)ライブ慣れしていない人も来ることが予想できるので、コール等を知らなくても一体感を得やすい手拍子を楽曲に盛り込むのは良い判断だな~と思いました。慣れていない人が多いからか当初は劇場内も割と手探りな雰囲気だったのですが、冒頭の拍手と『Rat A Tat!!!』の手拍子である程度緩和されたような感じでしたね。

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スクリーンから劇場の座席まで広がるペンライトの光

第3幕はライブシーンが盛り沢山。後方に座った甲斐があって、ペンライトを出していた人も(まばらではありますが)それなりに観測できました。劇場で特定のユニットが楽曲を披露するとき、スクリーンのライブ会場でいくつかの色のペンライトが光り、まるで連動しているかのように劇場の前の座席でも同じ色のペンライトが光る様子が興味深かったです。スクリーンのペンライトの光と、劇場のペンライトの光と繋がると、スクリーンと劇場の境が曖昧な空間になっていくんですね。イメージとしてはライブビューイングが近そうですが、フィクションのライブは実際には行くことができないので、その場にいる気分を少し味わえるのは不思議な気もします。(以前ライティング上映を観たときにスクリーンが劇場という空間を侵食してくるように感じたのと、少し近いかもしれません。)

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個人的には、ライブは目の前で起きていることをしっかり見逃さないことを最優先としつつ、「どの色でペンライトを光らせるのか」という小さな自己主張の選択*7や、「他の人がどの色を光らせているのか」を観察することも楽しさの一部だと思っています。映画を観つつその体験ができるのは面白かったですね。

「繋いでいく物語」の一員となる

この節はある程度核心に触れざるを得ないので、未見の方はご注意ください

 

 

 

 

 

 

作中でも言及されている通り、本作は「リレーのようにバトンを繋いでいく物語」です。劇場完成時のライブを成功させるために、原っぱライブを行い、Team 1st から 8th まで順にバトンを繋いできました。ライブでは、セットリストの順に楽曲を披露していき、「いい流れを作る / 繋ぐ」であったり、「やむを得ず止まってしまった流れを一気に巻き返す」であったり。リレーと同じく、後ろに信頼できる仲間が控えているからこそ前だけ見て走れるし、アクシデントがあって遅れた分も誰かが巻き返すことが可能なんですね。この辺りは、スポーツ漫画、バトル漫画のような熱さがありました。

そしてこれは、作品内だけの話ではありません。1話に765PRO ALLSTARS(以降765プロAS)のライブを観て始まり、9話で実際に765プロASの面々と話し、前作アニメ『THE IDOLM@STER』からバトンを渡されます。「前作があるから今作がある」という確かな繋がりは、美希の語る「本気」や、765プロASの面々の持つ経験や自信からも感じられます。さらに、ライブにおける「繋ぐ」というテーマは、前作13話での「竜宮小町が戻ってくるまで盛り上げる」と重なるところもあります。前作が好きだった自分を思い出させてくれる、本作はそんな作品でもありました。

さらに、自分の目で見てきたわけではないですが、『アイドルマスター ミリオンライブ!』というコンテンツがアニメに至るまでも、GREE版であったり、スマホゲーム版であったり、楽曲であったり、ライブであったり、色々なコンテンツがバトンを繋いでここまで来たのだと想像できます。作中で遅れて加わりライブの流れを巻き返すのが白石紬、桜守歌織の二人だったりするのは、コンテンツを追っていなくても知っているくらいわかりやすい表現でした。いわば、『ミリオンライブ!』の歴史を盛り込んだアニメと言えるかもしれません。

初見で通常上映を視聴した時、ライブシーンは非常に熱く感じられ、前作アニメからの繋がりも確かに実感することができ、素晴らしい作品だと感じました。ただ筆者は、(当然といえば当然ですが)『ミリオンライブ!』というコンテンツそのものを追ってきた人と比べると、ここまで繋いできたんだという実感は強く感じられてはいないのかなとも思っていました。

本作では途中、途切れてしまったライブを観客が繋ぐ場面があります。これもまた『ミリオンライブ!』の歴史で実際に起きたことだそうでした。この場面、もちろん応援上映では劇場の観客もスクリーンの観客と一体になり、ペンライトを振ったり手拍子したりして繋ぐという体験をすることになります。応援上映で観客に何かアクションを求める形は一見よくあることのようですが、繰り返している通り本作は「繋ぐ」をテーマとした物語です。この体験は、物語を繋ぐ役割としてほんの少し自分が関わったような実感を感じさせてくれたように思いました。本アニメが『ミリオンライブ!』の歴史をアニメとして再構築したものだとしたら、それを応援する行為は『ミリオンライブ!』を応援してきたファンを少し体験することなのかもしれません。ライブ終盤の未来からの「ありがとう」の言葉も、初見時と応援上映時では違って聴こえた気がしました。

また余談ですが、765プロASのサインライトを持ってきたことで、このサインライトも前作から自分を繋いでくれたんだなぁと勝手な感慨深さも抱いていました。

おわりに

というわけで、第3幕の応援上映に参加し、素晴らしい体験ができたという感想でした。ただ、応援上映というのは自分だけでなく多くの他の観客の方も参加するものです。うまく劇場や日時を見極めないと自分に合わない応援スタイルが多数派になってしまう場合もありそうで、そこは難しそうですね。ただ、通常上映とは一味違う体験ができるのは確かなので、一度は体験してみる価値があると思います。

最後に『ミリオンライブ!』の話から離れて、今後公開される応援上映をしそうな作品を思い浮かべてみると、気になるのはやはり……『劇場版 ポールプリンセス!!』ですね(雑宣伝)。

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*1:『KING OF PRISM』シリーズなども全て通常上映で観ていました

*2:なので、第1幕から第3幕まで劇場で一気見が可能

*3:日常シーンでに大声でツッコミが入るような場はまだ抵抗があり……

*4:最終的にはまあまあ埋まっていたのですが

*5:Ver.2。描かれているキャラとは合わなくても色とこちらの魂(?)が合えばいいはず、という判断

*6:15分おきに拍手してる人もいたけれど流石に高頻度すぎてちょっと面白い

*7:実質的には、どんなイメージを持っているのか/誰を推しているのか