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朗読劇『魔法少女育成計画double shadow』 感想

本日は、魔法少女育成計画の朗読劇第3弾『魔法少女育成計画double shadow』を観に行ってきました。 イベントに朗読パートがあることはたまにあったりしますが、朗読劇イベントそのものを観に行ったのは初めてでした。

魔法少女育成計画で最近朗読劇が行われていることは知っていて、元々原作小説を一通り読んでいて好きなシリーズだったので多少気にはなってはいました。 そんな中で、原作でもかなり好きな組み合わせであるプフレとシャドウゲールがメインということで、これは流石に行くべきだろうと、観に行くことを決めました。 この記事では、初めて朗読劇を観に行った感想を書いて行こうと思います。

会場の様子

前日に気分を高めようと『魔法少女育成計画QUEENS』の例の場面辺りを読み返していたら、高まりすぎて寝つきが悪かったです(えぇ……)。

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会場である草月ホールに着くと既に結構な人がいて、魔法少女育成計画好きな人、こんなに物理的に存在してるんだ……というあるあるな感想を抱きました。 実際のところは声優陣のファンも一定数いそうではありますが、アニメは観ていたりこの日に備えて原作を履修して来た人も少なくないはず。 グッズもたくさん並んでいて*1、壮観でした。 パチスロの台(おそらくこの日用の特殊な仕様?)も置いてありました。

席は3階だったのですが、ステージを見下ろす感じで割とよく見える席で(実際座ってはいないので想像ですが)1階後方とかよりお得なのでは?と思いました。 目線の位置によっては手すりがステージの一部と被るのが気になったくらいで、それも姿勢を工夫すればどうにかなる感じでした。 いずれにせよ、狭めの会場でどこでも距離が近そうなのは良いですね。

全体の感想

なんとなく朗読劇は立って行うイメージだったのですが、今回の朗読劇は一時間ずつとそれなりに長いためか、声優陣は常に座っていました。 衣装だけでなく、椅子もキャラクターを感じさせる装飾が付いていたのが印象的でした。特に魔王パム。

声優の方は声の演技とその他細かい身振り手振りの芝居が中心でした。 スクリーンには映像の演出があり、後ろの舞台ではEMSEMBLEの方々が全身を使って動きの表現をしていました。 戦闘要素がある本作だからかもしれませんが、朗読劇という単語からのイメージよりは結構迫力を感じる場面もあった感じでした。 一方で、台詞を読んでいる声優さんの方も観たいし、後ろの演出も観たいしで若干目の行き場に迷う時があったような気も。

(映像表現以外で)アニメと朗読劇で異なるところと言えば、地の文の読み上げがあるか否かでしょう。 個人的に原作の魔法少女育成計画は、それぞれのキャラクターに信念、生きる指針、考え方があり、異なる考えがぶつかる群像劇的な面白さが魅力だと感じていました。 そのため、アニメだと省略されがちな心情表現を時間を掛けて行える朗読劇は、魔法少女育成計画という作品に結構向いているのかもしれないな……と思ったりしました。

朗読劇は二部構成で、前半が再演となる「青い魔法少女の自己主張 ver.2」、後半がプフレ・シャドウゲールの「Double shadow」。 間に15分くらい休憩が入る流れでした。 核心には触れない程度に、感想を書いていきます。

「青い魔法少女の自己主張」

2代目ラピス・ラズリーヌがブルーコメットと名乗っていた頃のお話。 特に印象に残った表現は、ブルーコメットが持参した資料の特定ページを見るように言うと、7753(役の竹達さん)が台本のページをめくってその動作を再現していたところ。 朗読劇において台本は必須アイテムだと思うのですが、それもお芝居の一部に組み込まれるのは面白さがありました。

台詞量は7753が一番多そうに感じたのですが、竹達さん上手いな~という当たり前の感想を抱きました。 それと、ブルーコメットの幼少期のシーンがあったときスッと雰囲気が変わった辺りでは、悠木さんのすごさを感じました。

全体をコメディ風に進めつつ、語られていなかった人物の心情を語って先ほどの出来事の印象を変えるのは魔法少女育成計画らしいな、と思いました。 改めて原作(『魔法少女育成計画restart』)のブルーコメット登場シーンを読み返したいですね。 というか休憩時間に少し読み返していました*2

「Double shadow」

プフレ、シャドウゲールという光と影の組の前にあった、もう一人の影と、もう一組の光と影のお話。 ドラマCDなどは追っていないのですが、南條さんの演じるプフレの声質、語り方はイメージに近く、期待通りでした。 一方シャドウゲールは(台詞はああいう感じでも)声自体はもっと低音というか落ち着いた風かと勝手に思っていたのですが、小松さんの演技は明るい感じでしたね。 声自体は聴いていく内に慣れたのと、ビジュアルに対して割と庶民的な感性を持ち、素でいるという設定からすると(良い意味で)普通っぽい声が合っているのかも……と少し思いました*3

朗読劇ならではだな~と思ったのは「護」と「守」という二つの同じ読みの名前。 文章で読むとどうしても文字で認識してしまうと思いますが、朗読劇では音で認識することができます。 人小路庚江(プフレ)の護に向けた呼びかけと、守に向けた呼びかけを重ねたり、その細かい感情の乗せ方の違いを感じられるという点で、この物語は朗読劇向きだったのだろうと思いました。

演技で言うと、特にエーコ・EX・ランタンを演じた茅野さんの熱演が光っていました*4。 涙を流すシーンで、ハンカチで目を拭っておられたのも印象的。

また(詳細は省きますが)もう台詞がない役の方が台本を閉じていて、閉じた台本の持ち方一つにもキャラクター性が出ていました。 声ではないところの演技を感じて良かったです。

おわりに

結論としては、参加してすごく良かったな……と感じました。 声優の方のプロとしての技術を近い距離で感じられ、かつ魔法少女育成計画の上質な外伝を味わうことができて、かなり満足度が高いです。

魔法少女育成計画という作品は、スピンオフ集が出ていることからもわかる通り、スピンオフ向きの作品だと思います。 本編では取り返しのつかない出来事が多く起こってしまいますが、その前の出来事を描くことで、希望や悲しみ、色々な感情を抱くことができます。 そういった意味で、原作とは違う形で補完するこの朗読劇も、今後も続いて欲しいです。

また、朗読劇イベント自体にも興味が出たので、機会があったら別作品の朗読劇にも行ってみたいと思いました。

*1:本作にハマったのがアニメの少し後なのもあって

*2:こういう時電子書籍は良い

*3:この辺り、アニメ版ではどうなるんでしょうね

*4:単に茅野さんの低音の演技が好きというのもある