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2023年アニメOP/ED10選

こんにちは。

2023年TVアニメの中で特に良かったOP/EDを(楽曲、映像、文脈から総合的に)10個選んでみました。 順番はおおむね気に入っている順です。

素直に選んだ結果、OP多めだったり、作品単位の10選と割と重なっている気もしますが、選ぶという行為にはそういったことも込みの面白さがありますね。

『Shine In The Sky☆』(『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』OP)

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今年一番好きなOPはこれですね。作品の感想に良さを大体書いてしまったので、ここに引用します。

本作の魅力的な要素の一つがOPです。曲調や歌詞に感じる元気さ、溌剌さ。「ガラスの靴も 馬車もないけど じっとしてられない」に感じるうずうず感。「ドアの向こうへ出掛けよう」で二人が一旦ドアを通り過ぎてから頭だけ戻す動きが歌詞の「よう」と重なっている気持ち良さ。順にハイタッチして並び、これからステージに立つんだというワクワク感、ドキドキ感。「朝だよ おはよう 遊ぼう」という一日(そして一話)の始まりを感じさせるサビ。未来が大きく広がっている彼女たちによって歌いあげられる「未来を照らす光になるよ私たち」という歌詞。映像も込みで、春クールで最も印象に残るOPでした。終盤のEDがおはようの対となる「グッデイ・グッナイ」なのも良いですね。

冒頭でありすの後ろに回って青いリボンを映した後で、(青いリボンから連想させるような)青い蝶々と共に光が昇っていくところも好きです。その後、青い蝶々(ありす)を見掛けてみんなが集まって来るんですよね。

「おはよう」を歌った曲で最後にはありすが目覚め、さっきまでのステージが夢だったことがわかるのも、ここからの可能性をテーマとした作品とマッチしていて良いですね。

『Only for you』(『転生王女と天才令嬢の魔法革命』ED)

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『転生王女と天才令嬢の魔法革命』はOPも良いのですが、あえて選ぶならED。ちなみにEDのカップリング曲『Take your hand』も良いです。

「寄り添う二人の物語」から始まる歌詞。個人的にはユフィリアが歌う「抱え込んだ昨日さえ 愛してゆこう」のところが好きです。アニスフィアに出会う前のユフィリアからは出ない発言だと思うから……

大木の両側にいた二人が歩き出し、成長した姿となるところ。ユフィリアは幼少期と変わらず生真面目な表情の一方、アニスフィアは幼少期の満面の笑みから、やや穏やか程度の表情に変わっています。 前世の記憶を得たのは5歳くらいだったはずだから、このアニスフィアは記憶を取り戻す前の悩みのなかった頃なのでは?とも思ってしまいますね。 また、冒頭で描かれるいくつかの風景の中には、現代世界のものと思われるものが含まれています。アニスフィアの記憶にある景色、ということなのでしょうか。

サビでは大木の両側に二人が立ち、アニスフィアとユフィリアが交互に映ります*1。 アニスフィアの時に△、ユフィリアの時に〇が出るのは、尖ったアニスフィアと優等生のユフィリア、というイメージかもしれません。

大木の両側にいた二人は最後にお互いに微笑み、少し喋り、二人で木の中に隠れます。 ユフィリアは恥ずかしがって周囲の様子を確認しているから、何をしているのかと言えば……を想像に任せる形になっていますね。

『壱雫空』(『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』OP)

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水溜まりとそこに映った曇り空のカットから始まるOP。曇り空の下で歌う「MyGO!!!!!」の面々*2。 サビに入る瞬間、また水溜まりを映すのですが、そこに映る空は青く色づいています。 冒頭との対比になっていて、かつ世界が色づいたことを直接ではなく水溜まりを通じて描くのが良いですね。 晴れた空のもとで、周囲に各々のカラフルな色の傘が配置されているのも、灰色だった空との対比になっています。

歌詞にも注目してみましょう。 イントロの「もしこの雨が上がっても」の「雨」ですぐ思い当たるのは、前身となるバンド「CRYCHIC」が解散した日の天候、そして解散までが描かれた3話ラストで無自覚に高松燈が流した涙。 「透明な傘で作る ひとり分だけの世界」は、傘をさす行為を自分の世界に閉じこもることとして表現しています。 燈が自分の世界に閉じこもり、再びバンドをやることができなくなっていることとも取れますね。 「この雨が上がってく時」とは、10話で「MyGO!!!!!」を結成した時でしょうか。 しかし燈は(長崎そよと同じように)「CRYCHIC」をなかったことのように忘れることはできず、記憶の中に留めておきたいことを収集癖と掛けて歌っているように思います。

雨が上がって晴れることを歌った曲なため、OPらしく爽やかに感じる曲調なのも良いです。

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『Shiny Girl』(『SHY』OP)

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動きの気持ち良さが光るOP。冒頭で中央の転心輪から「HERO」の四文字が左右に出て、各文字が転心輪になり、各ヒーローになり、画面が5分割されるところまで非常に鮮やかです。

印象的なのは、扉を開いたり、奥行きを感じさせるような表現が多用されていること。心を題材とした作品だけあり、心の奥底に潜っていくイメージを感じます。

タイトルの『Shiny Girl』もかなり好きです。(shy と shiny を掛けて)少女SHYが、心の暗闇を照らす希望の光となる、そんな意味が込められていそう。

『ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~』(『ひろがるスカイ!プリキュア』OP)

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『ひろがるスカイ!プリキュア』のテーマの一つである空。このOPはそれを象徴するような疾走感、伸び伸びした雰囲気を感じさせてくれます。

「何かが始まる空の気配 ソラノケハイ」の「ソ」「ラ」「ノ」「ケハ」「イ」に合わせてリズムよくキャラクターが切り替わり口元も歌詞に合っているところが気持ち良い。特に最後の「イ」をソラもましろもエルちゃんもニッコリしているのがいいですね。

サビの戦闘シーンも、キュアスカイは正統派、キュアプリズムはエネルギー弾、キュアウイングは飛行と一目で個性が出ているところもOPとして素晴らしい(キュアバタフライは……何だろう)。

ワナビスタ!』(『ワールドダイスター』OP)

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『ワールドダイスター』はEDもとても好きなのですが、より印象的なのはOPでした。

冒頭の「Wanna be a star! 信じさせてあげる 素敵なStoryを」は、芝居は観客に素敵な物語という虚構を観客に信じさせるものであるということを言い表しています。さらには、ワールドダイスターにおいて最重要とも言える、自分の可能性を信じることについても言及していると取ることができ、幕開けとして非常に的確な歌詞となっています。

Aメロではキャラクターの日常風景をあえて遠くから映し、Bメロで舞台上の、衣装に着替え照明が当たり(センスを発動して)輝く彼女たちを描く対比もいいですね。

『リンク』(『最強陰陽師異世界転生記』ED)

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『最強陰陽師異世界転生記』と言えばOPの「しなやかさと逞しさと 明日はどっちだ?」が有名ですが(本当に?)、EDも良いです。

まず、馬車に乗るところから始まるのが良いですね。最強の陰陽師が馬車に弱い設定が妙に好きなので。

転生者の主人公ではなく、その時代を生きるヒロインたちだけで歌っているというのも良さがあります。 主人公の元々の意図がどうあれ彼女たちが今を生きるのに影響を与えている、ということがシンプルに伝わってくるからかもしれません。

話数ごとに歌うキャラクターが替わり(いわゆる当番制の楽曲)、ソロの場合もあるのも好きです。 特に最終話でフルで流れる場面と、「いつか総てが 巡り逢うように 僕らを繋ぎ合わせるから」の歌詞が合っているところが良いですね。

Trickster』(『HIGH CARD』OP)

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作品の軸であるトランプを連想させるような単色と模様の使い方が曲調のオシャレ具合とマッチしています。 5つのティーカップティーポットが、一瞬で回転式拳銃の弾倉となるところは非常に鮮やかですね。

冒頭では画面に敷き詰められたトランプがバラバラになって落ちていきますが、中盤で多くのトランプが空中を漂い、最後にはまた画面に敷き詰められてタイトルロゴが出る。 収まりが良く、散らばったトランプを回収する争奪戦という作品のテーマとも合っていて良いです。

『愛唄』(『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』第7話ED)

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ここまでのEDが『小さな恋のうた』だったのに対し、第7話という鍵となるエピソードで「」から「」の歌に替える演出が鮮やかでした。 両親の愛を知らずに生きてきた椎名真昼さんが、自ら愛について歌えるようになったことを示しているというわけですね……

Preview』(『転生貴族の異世界冒険録』OP)

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『転生貴族の異世界冒険録』のOPといえば絶妙な頭の角度と絶妙な表情で走り続けるシーンが話題*3でしたが、個人的にそこよりもっと好きなのが、冒頭でカインがテレスティアとシルクの二人に引き摺られ、その後にタイトルロゴが出てくるところ。 高いところにある「転生貴族の」は最初から出ていて「異世界冒険録〜自重を知らない神々の使徒〜」だけが引き摺られた後に出てくる謎の芸の細かさや、直前に強そうな敵と戦っているのにいきなり引き摺られコミカルな演出になるところにらしさが出ているように感じます。

*1:チカチカするためか途中の話から映像は少し変わってしまいましたが

*2:序盤の結成前から一貫してこのOP映像なのが少し面白い

*3:公式で貴族走りと呼ばれ、アクリルスタンドも出るほど