こんにちは。
2024年冬アニメも始まり、様々な面白いアニメが放送していますね。 まだそこまで追えていないのですが、今のところ個人的には『ゆびさきと恋々』や『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する』に注目しています。
そんな中で今回は、TVアニメ『ゆびさきと恋々』における、ED中次回予告の話を少しだけしようと思います。
ED中の次回予告
ED中の次回予告という手法はいくつか前例があります。 前クールでも、『でこぼこ魔女の親子事情』においてこの手法が使われていました。
EDが一旦落ち着ちつき次回予告が始まったと思ったらそこからまたEDに戻るという形で意表を突く、非常に楽しいEDでしたね。 次回予告が挟まっているおかげでED動画が1分49秒もあるのも面白い。
TVアニメ『ゆびさきと恋々』において
さて、『ゆびさきと恋々』は、聴覚障害を持つ主人公「雪」の恋愛を描いた物語です。 作中で雪は、口の動きや手話、書かれた文字など、主に視覚から情報を取得します。 とはいえこれはアニメなので音声はそのまま発される場面が多く、雪の立場で世界を感じられる場面は限られています。
では、『ゆびさきと恋々』のEDを観てみましょう。 『ゆびさきと恋々』のED中次回予告は、『でこぼこ魔女の親子事情』の次回予告とは異なり、音声情報はありません。 曲が流れる中で、次回の映像が一部流れるだけ。 これはある意味で、一時的に雪の立場に立って世界の片鱗を感じる体験と言えます。
次回予告とは、言ってみれば初めて観る、未知の情報の塊。 本編の一部を切り取ったものなので(作り物感の薄い)生き生きとした世界でもあります。 音声情報なしで観ることで、音がなくても表情や仕草で読み取れる場合があること、そして当然読み取れないことも多くあることを実感できるでしょう。 第1話『雪の世界』の出来も素晴らしく、作品のテーマもしっかりと伝えてきた上で初めて流れるEDなため、より強い効果が表れているであろうことも付け加えておきます。
OPやEDは楽曲が流れるため、却って世界の音が消えているように感じられることにも気付かされました。 言い換えると、OPやEDはTVアニメにおいてアニメーションが音声とは独立して情報を与える、数少ない要素なのかもしれません。
改めてOP映像も観てみると、タイトルロゴの後は会話のシーンが画面に多く映ります。 口頭での会話の内容は視聴者にはあまりわかりませんが、一方で手話のシーンは手話を知れば理解することができる。 作品において重要な要素が、自然な形でOPやEDに組み込まれているのが良いですね。
おわりに
というわけで短めでしたが、『ゆびさきと恋々』におけるED中次回予告について、でした。 他にも本作は、EDに入る直前に改めてサブタイトルを表示する手法を使っています。 こちらもしばしば用いられる手法ですが、話が終わったタイミングで改めてサブタイトルが表示されることで、そのサブタイトルに込められた意味を理解する、という体験をすることができて、個人的には好きです。
OPやED、サブタイトルを含め、元々TVアニメという形式に存在する要素を上手く活用した作品が好きなので、今後もこういった作品がどんどん出てくると嬉しいなと思います。