現在公開中の映画『KING OF PRISM -Dramatic PRISM.1-』。 TVシリーズ『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』の総集編的な内容でありながらも、大会の中継映像として(CM追加なども含め)見事に再構成された作品です。
そんな本作が 4DX に加え、国内のアニメとして初めて ScreenX および ULTRA 4DX に対応したとのことで、さっそく行ってきました。 これはその感想記事になります。
ULTRA 4DX とは?
4DX に関しては聞き覚えのある人も多いと思いますが、ULTRA 4DX とは何でしょうか? それを知るには、まず ScreenX 上映について知る必要があります。
ScreenX は、劇場の正面スクリーンに加え、左右の側面にもスクリーンを使った上映形式のこと。 そして、ULTRA 4DX は、この ScreenX と 4DX と組み合わせた上映形式のことです。
4DX と ScreenX を組み合わせたものは確か 4DX Screen 上映と呼ぶのでは?と思った方もいるかもしれません(いるかな……)。 ご指摘の通り、以前は 4DXScreen という名称だったのが、2024年4月に ULTRA 4DX という名称に改められていたそうです。
余談ですが、以前 4DX Screen と呼ばれていた頃に、『ゴジラ-1.0』の 4DX Screen 上映の感想を書いたりしていました。
本作の ULTRA 4DX 上映の感想
4DX
KING OF PRISM シリーズは以前にも 4DX 上映を行っていたそうですが、自分は今回が初めてでした。
どういう演出があるかはネタバレにもなってしまうので、気にする人は先に体験しにいってください! また、4DX は劇場ごとにどの演出がどの程度使われるかは差があると思うので、あくまで参考程度に。 自分の行った劇場は、109シネマズ グランベリーパークでした。
まずインパクトがあるのは、やはり揺れ。 プリズムジャンプのタイミングはもちろん、それ以外もガンガン揺れて楽しかったです。 (飛んでるのはプリズムスタァなのに何故我々が揺れるのか?については、心で感じているということで……)
揺れで言うとやはり大和アレクサンダーのショーが一番すごい。 マイクスタンドを蹴った瞬間の衝撃も大きいし、バトルモードは言わずもがな(流石バトルモード)。 ここだけ切り取って遊園地のアトラクションに出来そうだな……とすら思いました。
熱風もなかなか印象的。 大会の最初が太刀花ユキノジョウのショーだったこともあり、連獅子は回転と熱風が重なって非常にアツかったです。 KING OF PRISM ってなんだかんだ(?)アツい作品なので、熱風は嬉しい、かも。
鷹梁ミナトのショーなどでは、もちろん水しぶき演出もありました。
フラッシュも時々効果的に使われていたと思うのですが、何よりエンドロールでジャンケンの手を出す度にフラッシュが焚かれるのは衝撃的。 あんな短時間にたくさんフラッシュ使いまくっていいんですね(いいのかな……)。
というわけで、楽しい体験でした。 プリズムショーの占める時間割合が大きいため、4DXの演出を使い放題でかなり激しい(人によっては疲れる)作品になっていたと思います。
ScreenX
より注目なのが、国内アニメ初の ScreenX 上映。 多くの場合の課題は「側面の映像をどのようにするか」でしょう。
本作でも、正面の映像をそのまま側面に拡張する(繋がっている)場合もあれば、無理に繋げない場合もあるような作られ方をしていました。 単純に静止画が動かされるシーンでは正面に映り切らない箇所が側面に映っていましたし、 3Dプリズムショーの一部が側面にも映るような場合もありました。
逆に繋がっていない場合は、側面の結合部?(正面と接続する辺の部分)にそうとわかるような表示がされ、側面には会場の様子が映るようになっていて、違和感が少なくなるような工夫だなぁと思いました。 とはいえ、側面や結合部などをじっくり観るというよりは、あくまで雰囲気を感じながら正面主体で観るのがオススメです。
ScreenX の強みは立体感であり、囲まれているように感じられること。 側面に一杯のペンライトが映っていると、自分も応援するか~って気分にもなったり。 また、高田馬場ジョージのショーや、ドラマチックLOVEのショーでは、正面にも側面にもキャラクターが映り、包まれているような気分にもなります。 高田馬場ジョージ優勝の説得力がまた増したな……と思ってから、ドラマチックLOVEではエーデルローズの面々もやるな……と感じるような順番になっていて良かったです*1。 また、プラトニックソードでは囲まれて逃げられないようにも思わされ、迫力が大幅に増していました。
ScreenX がこれまで国内アニメで使われていなかった理由は、前述の「側面の映像をどのようにするか」問題の難しさが主要因でしょう。 実写作品ならあらかじめ側面用にも映像を撮影しておけばある程度は済む話ですが、アニメだとそうは行きません。 特に手描き作品だとシンプルに描く量が増えることになり、コストがかなりつくはず。 本作は大会映像が中心ということで、背景は基本的に会場であり、3Dのシーンは(映していないだけで映像のベースはあるという意味で)比較的対応が少ないこともあって、挑戦できたのだと思います。 こういった3D作品、特にライブシーン中心の作品では、徐々に ScreenX 対応作品が増えてくるのかもしれませんね。
まとめ
というわけで、『KING OF PRISM -Dramatic PRISM.1-』のULTRA 4DX 上映の感想を書いてきました。
本作の公開が決まったときは、嬉しいけれど総集編でどれだけ新たなものが生み出されるのかなと思ったりもしました。 しかし、大会中継風の再構成と、それによる応援上映の敷居下げ。 劇場専用作品として作り込むことによる音響の強化。 それに加えて今回の 4DX、ScreenX、ULTRA 4DX 対応と、劇場で新たな体験を生み出そうという様々な試みには非常に感心させられます。
本シリーズがかつて応援上映をより広い範囲に広げるきっかけとなったように、本作が ScreenX や ULTRA 4DX が他のアニメ映画にも広がって行くきっかけとなればいいなぁと思いました。
*1:実際には新作ショーは ScreenX を見越して作成したのでこういう演出ができたのでしょう