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2022年下半期良かったアニメ/特撮

こんにちは。

2022年下半期良かったアニメ/特撮作品について書いていこうと思います。おおむね気に入った順で並んでおり、完結した作品のみ選んでいます。

2022年上半期良かったアニメ/特撮は↓

unitcircle.hatenablog.com

2022年アニメ10選

下半期の記事ですが、ここで2022年の作品10選を並べておきます。各クールの上から選んだらこうなったという感じですね。時間に余裕があれば話数単位でも選びたいところでした。

(冬)明日ちゃんのセーラー服
(冬)時光代理人 -LINK CLICK-
(春)ヒーラー・ガール
(春)ビルディバイド -#FFFFFF-
(春)ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会  2期
(夏)Extreme Hearts
(夏)連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ
(秋)Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-
(秋)モブサイコ100 III
(秋)ヤマノススメ Next Summit

Extreme Hearts

魔法少女リリカルなのは』シリーズの都築真紀氏が原作・脚本を務める、近未来を舞台とした物語。本作は一言で言い表すならば「スポーツアニメと楽曲アニメを掛け合わせたような作品」なのですが、それだけでは表現できない熱さ、優しさ、そして細部の嬉しさが詰まっていました。

本作の1つの特徴は、主人公チームRISEの構成です。本作は、ソロ活動をしていた主人公葉山陽和が夢のためにハイパースポーツの大会「Extreme Hearts」に参加することになり、(最初のファンでもある)小鷹咲希を始めとするスポーツ経験者がチームに加わることで勝ち進んでいくといった構成になっています。葉山陽和はスポーツ経験がないわけですが、芸能活動の経験と脚力という武器を持っています。一方で他の面々はそれぞれスポーツ経験者ではありますが芸能活動の経験はありません。このようにRISEはお互いに教え合い、引っ張り合う関係であり、新たな分野での成長と、得意分野での流石の実力や責任感の両方の面を見ることができるわけです。チーム内でも、歌手とファンだったり、バッテリーを組んだり、年齢が近かったりと、他のキャラクターには見せない一面を見せる関係性があるのも魅力ですね。

スポーツアニメとしての側面に注目すると、本作は様々な競技の試合を要所を抑えながら熱く描写することに成功しています。特徴的なのは、「エクストリームギア」という装備を装着することで一時的に身体の出力を向上させられる設定です。ここぞという場面で映像として決まってみえるとともに、競技初心者でも工夫次第で短所を補い長所を伸ばし上級者と張り合えることの説得力が出ています。また、終盤の競技がバレーボールとバスケットボールであることは、跳躍力が主人公陽和の長所であることに加えて「高い目標/夢に向かって高く跳び、手を伸ばして届かせる」RISEの姿そのものだからなのかなと思ったりもしました。

楽曲アニメとしては、勝敗を競う要素をスポーツに委ねていることで、ライブステージが優劣を付ける場ではなく純粋な自己表現の場となっています。RISEもその他のユニットもそれぞれ個性のある楽曲・パフォーマンスになっていることが見て取れます。スポーツ面と同様、要所を抑えた映像作りが上手いですね。RISEの楽曲も非常に良く、強く印象に残ったのはED曲の『SUNRISE』や『全力Challenger』でしょうか(流れる状況も含め)。

些細なことに見えて重要なのは、本編外の要素が充実していることです。公式サイトのCharacterページを見ると、RISEや中盤以降に対戦するMay-BeeやSnow Wolfの情報が充実しているのはわかるとしても、LINK@Dollや序盤に対戦するスマイルパワー、BanSheeまで、リーダー以外のキャラクターのプロフィールが細かく載っています*1。スポーツアニメ・楽曲アニメではキャラが多いのはありがちですが、設定を公式サイトでもここまで公開してくれたり、作中での再登場もあったりするのは嬉しさを感じます。また、ボイスも話が進んだり誕生日になると追加されていたりします。

更にサイドストーリーとして各話5分以上のいわゆるノベルゲーム風画面の会話劇が用意されており、補足説明や話と話の間のやり取りを聴くことができます。加えて、個人的にかなり良いと思ったのが、RISEのBlogと呼ばれる作中でRISEが更新している体のブログです。話が進むにつれてブログの内容やデザインも変わり、書き込むメンバーやブログへの反応も増え、といった体験をすることができるようになっています。キャラが書いている文章のしっくりくる感まで、丁寧に作られているのを感じます。本編外でここまで徹底することで、単なる映像だけでなくExtreme Heartsという体験を提供しようという意志を感じた作品でした。

各エピソードを振り返ると、競技の試合の回やライブステージ回はもちろん、そうでない回もキャラの掛け合いが楽しい作品でした。印象的なのは橘雪乃が加わる野球回の6話、終盤9話11話のアツい試合の回。あえて1話選ぶならば、ED曲『SUNRISE』がタイトルになっている最終回第12話を選ぶと思います。いわゆるライブ回なのですが、S×S×Sで事前に新曲『全力Challenger』を流すことでライブ前に曲を予習するファンのような気持ちで観ることができ、その立場だからこそ得られる大きな感動がある、そんな最終回でした。

連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ

『ワールドウィッチーズシリーズ』10周年記念作品。シャフト制作、監督は『アサルトリリィ BOUQUET』の佐伯昭志氏。歌と音楽の力で人々の心を癒す、航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズの物語。シリーズは未見だったのですが、本作から入っても楽しめる素晴らしい作品でした。

ルミナスウィッチーズは、様々な戦闘に不向きなウィッチたちが集められた音楽部隊。本作の魅力は、そんなウィッチたちがお互いに苦手なことを抱えながらも支え合い、人々に元気を届けて行く姿です。キャラクター同士のやり取りは暖かさや優しさに溢れていて、こういう作品が好きだなと改めて思わされました。

本作は楽曲を扱ったアニメですが、ウィッチであるため、歌いながら大空を飛ぶのが最大の特徴です。歌いながら地上で踊る作品は多くありますが、大空を飛ぶというのは*2そう多くはないと思います。ルミナスウィッチーズにとって大空はステージであり、世界のどこでも空は繋がっていて、空を見上げれば地上にいる人全員が観客になる、そんな独自性が良いですね。

ストライクウィッチーズ』の裏側を描いた作品ということでシリーズの他作品もいずれ観たいなと思っています。

第11話『わたしとみんなのうた

初めてステージに立つ第4話、シルヴィと父の関係を描く第5話、マリアとマナの第6話、ニューヨークの空全体がステージになる第9話、最終回第12話と、本作は特に名エピソードに溢れていましたが、その中でも個人的に最も響いたのがED曲がタイトルになっている第11話『わたしとみんなのうたです。

主人公ジニーはウィッチではなくなったため部隊を去ってしまい、ルミナスウィッチーズのメンバーはジニーがいない中で準備を進めることに。ジニーは列車に乗るが、その列車では人々が歌い始め……というわけで、ジニーが自分の一番の場所を見つけるエピソードです。「歌を歌おう」、また最後にEDでルミナスウィッチーズ(わたしとみんな)として歌われる「わたしとみんなのうた」が非常に素晴らしく、音楽の力を作品を通して感じさせられました。印象的なのは、子供の素直な「行き先間違えちゃったの?」に対して「うん、そうかも」「すごく簡単なことだけど、私にはすごく難しくて、時間が掛かっちゃったけど」と答えるジニー。この辺りの台詞もこれしかないというくらい冴えていて、何度も観返したくなるようなエピソードでした。

ちみも

地獄から来た「ちみも」と呼ばれる不思議な生き物と「地獄さん」、そして三姉妹の日常を描いた「地獄系ハートフルコメディ」。見た目は緩いのですが、きっちり30分枠で、それでいてアニメーションも内容もしっかりしている、そんな作品でした。

コメディ作品の良さについて語るのはなかなか難しいですが、シンプルに各話の完成度が高く、安心して観ていられました。たくさんいて色んな動きを見せてくれるちみもたち。人間界・鬼神家では外部の存在であると同時に視聴者目線のキャラでもあり、苦労人でもある地獄さん。良い人たちながらちゃっかりしたところもあり(特に次女)、等身大な感じがする三姉妹。キャラのバランスも良く、内容も(やや毒もありますが)朝や夕方に放送していそうな感じでしたね。

余談ですが、ピカデリーやMOVIXの劇場ではマナーCMにちみもが採用されていて、アニメが終わってからも大画面で鬼神めい&ちみもたちに会うことができ、その度に嬉しくなっていました(最近行けてないですがおそらくもう終わっていそうです)

リコリス・リコイル

アサウラ氏が原案、『ソードアート・オンライン』等のキャラクターデザイン・総作画監督で知られる足立慎吾氏が初監督を務めるオリジナルアニメ。強度の高いキャラクター、魅力的な劇伴やアクションが光る作品でした。

本作の大きな特徴は、キャラクターの強度です。主人公の錦木千束、井ノ上たきなの二人のバディとしての掛け合い、変わっていく関係性は魅力的でした。やはりバディものは良いですね。クルミ、ミカ、フキといった脇を固めるキャラも個性があります。さらに真島、そして吉松 (ヨシさん)の二人はそれぞれ一貫した思想を持ち、敵役に相応しい存在感を見せてくれました。後半では真島が千束の対(存在としても実力としても)となる一方、たきなはそこまで達せていない印象も抱きましたが、この辺りは続編があれば描かれそうなところでしょうか。

本作は楽曲面も素晴らしく、ED曲の『花の塔』は特徴的なイントロが何度も本編映像に入り込む形で流れ、非常に大きなインパクトを残しました。ED曲の良さは本編の印象に割と関わってくるという持論があるのですが、本作はまさにその一例のように思います。

TAROMAN

岡本太郎作品をモチーフとした特撮番組。1970年代の雰囲気を再現することに重点を置いていて、なんか昔こういうのあったかも……と少し思わせるような徹底振りの作品です。岡本太郎の残した言葉を題材として扱っており、創作全般に通ずる内容です。どのエピソードも癖があり、4話『同じことをくりかえすくらいなら、死んでしまえ』が特に好きでした。

 

Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-

筆安一幸氏がシリーズ構成・脚本を務める、DIYを題材としたオリジナルアニメ。アニメの楽しさ、物作りの楽しさを詰め込んだ、これぞアニメーションな作品でした。

本作の最大の魅力は、古き良さを感じさせる画風と、その動きの気持ち良さでしょう。描き込みが多すぎないキャラクターデザインで、いわゆる「かんたん作画」も積極的に使っていく一方で、アニメらしい(大胆な、また細かい)動きによって映像だけで楽しませることに成功しています。職人技のような作画が題材にもマッチしていると感じますね。

本作では、物を作るときのワクワク感が目一杯表現されています。構図の良さや空間表現の上手さから、作った物がその場所に加わる実感もより湧いてくるのが素晴らしい。個人的にDIYという題材に馴染みは無かったのですが、本作を観て「今あるもの、既にある何かを材料として利用することは、その歴史を受け継ぐことでもあるんだな」と感じました。本作ではDIYの話をしているようで色々な物作りに通ずる話をしていて、DIYに限らず何かを作ってみたいなと思わされるような作品でした。せるふが秘密基地作りが楽しくてずっと完成しなくてもいいのにと思う気持ちは、何かを作っていて楽しいと思う気持ち全般に通ずるし、このアニメを観ている視聴者も同じ気持ちになったことと思います。

楽曲面でも、曲と映像がマッチした気持ち良さのあるOPや、楽しい!という気分を高めてくれる劇伴、温かさを感じさせるEDなど、素晴らしいものがありました。

どのエピソードも安定しており、楽しい!が第一にあったのが良かったです。たくみん加入の2話、ジョブ子が屋根裏部屋を作り変える4話、最終回の12話が好きでした。一番好きなエピソードを選ぶなら10話でしょうか。10話のBパートでみんなで手を重ねるところで、人を描かなくても手の重ね方だけで個性が出ているところ、そこから視線を移して見守っていたぷりんを見つけるところまでが凄く好きです。

モブサイコ100 III

ワンパンマン』のONE氏による漫画のアニメ化作品の3期。2期で物語的な盛り上がりのピークを迎えた本作。映像面のメリハリはそのままに、積み重ねたものを充分に活かし、完結まで丁寧に作られており、2期までとは少し違った趣を感じさせる、贅沢なエピローグ+αな作品でした。

エピソードとして最も印象的なのはやはり3期前半の締めくくり、6話でした。お馴染みの物凄い迫力のアクションシーンはもちろん、そこに至るまでの流れ、その後の静けさ、エクボの穏やかな語り口と、非常に完成度が高かったです。特殊EDが(色んな意味で)凄い8話、完結のエピソードに相応しい最終回12話も良かったです。

ヤマノススメ Next Summit

登山をテーマとした漫画作品のアニメ化の4期目。シリーズ未見だったのですが、最初4話は総集編で新規視聴者も入りやすい構成になっていると聞いて観てみました。

本作の特徴はまずアニメーションとしての作画・演出の楽しさでしょう。良い意味で統一感がありすぎず幅のある画風や、動きの気持ち良さを優先した作画。Do It Yourself!!やモブサイコ100と共にそれぞれ強みがあり、とんでもないクールですね。

OP曲『想いのち晴れ』は、気持ちいい曲調、心に響いてくる歌詞、あおいとひなたのパート分け、そして音に合わせてリズムよく変化する映像と、好きになる要素しかありませんでした。映像込みだと今年のアニメのOPで一番好きかもしれません。そしてEDは曲の良さに加え、毎週異なるストーリーのEDが展開され(更に吉成鋼氏が一人で描いているとのことで)驚きました。

登山という題材にも自分はあまり親しみが無かったのですが、本作を観て「登山は人生」と言われるのが実感できた気がしました。頂上を目指して誰かと歩き、辛いときは自分のペースを維持するのが重要で、頂上まで辿り着けなくて折り返しても後に成長して再チャレンジすればいいし、頂上まで行ければ見たことの無い景色を見ることができ、それで終わりではなくまた新しく挑戦できる。もしかしたら登山に限らず、趣味を自分のペースでやっていくと大体人生の話に通じるのかなとも。

全体的にどのエピソードも良く安定感がありましたが、あえて選ぶなら8話の黒崎ほのか・青羽ここなのエピソードが好きかもしれません。集大成的な意味合いでは、流石に1期から10年近く追っている人々に比べると感慨深さを感じるのは難しかったですが、それでも充分観て良かったな~と思えましたね。

仮面ライダーBLACK SUN

Amazonプライムビデオにて一挙配信された、白石和彌監督による『仮面ライダーBLACK』のリブート作品。平成・令和ライダーはそれなりに観ているとはいえ、白石監督作品も原典の『仮面ライダーBLACK』も未見だったためどうかなと思っていたのですが、いざ観てみると非常に印象に残る一作でした。

本作の特徴は、人類と怪人が共に暮らす世界であること、そして50年前と現在を行き来する構成になっていることです。過去と現在を行き来する仮面ライダーと言えば『仮面ライダーキバ』を思い出しますが、割と近い形になっていると思います。

そして本作で最も良いと思ったのが、「変身」について真剣に向き合っていると感じたことです。仮面ライダーブラックサン、シャドームーンへの初変身シーンは演出含めて相当盛り上がり、このために観てもいいんじゃないかと思うくらい印象的でした。人間も怪人も平等なBLACK SUNの世界で怪人から「仮面ライダー」になるには強い想い、決意が必要なのだな(そしてそれは善であるとは限らない)と感じました。

好きな登場人物は秋月信彦(シャドームーン)、ビルゲニアでした。二人の共通する部分は、50年のうち長い時間拘束され、変わることができず過去に縛られていたままでいることですね。本作のような、因縁のある二人が終盤にぶつかり合うタイプの作品がすごく好きなのですが、そういうとき大体シャドームーンのようなライバルキャラを好きになりがちな気がします。

楽曲も良く、特に(一部で有名な)テテテテーの劇伴は印象的なシーンで多く流れ、なかなか耳から離れませんでした。

エピソードとしては5話、9話、10話あたりが好きです。謎も多い状態でゆっくり進んで後半一気に盛り上がっていく構成になっていて、一挙配信であることを意識した作品作りにもなっていたのかなと感じました。

アークナイツ【黎明前奏/PRELUDE TO DAWN】

Yostarが運営するスマートフォン向けゲームアプリ『アークナイツ』のアニメ化作品。原作ゲームは少しプレイして止まっていたのですが、アニメ化ということで観てみました。全体的に重苦しい空気感、映像のクオリティの高さ、メインキャラであるアーミヤの魅力など、求められるものにしっかり答えた良いアニメ化だったのではないでしょうか。2期も決まっていますし、物語的にはまだ序章ということで今後の展開にも期待ですね。

新米錬金術師の店舗経営

小説家になろう』から書籍化された原作のアニメ化で、監督は『キラッとプリ☆チャン』等の博史池畠氏。独特な味がある、不思議な作品でした。

テンポや演出の良さが光る本作ですが、妙にキャラクター、特に主人公サラサの脇を固めるロレア、アイリスの印象が強く残りました。錬金術師として店を開くサラサのもとに店番として加わるロレアですが、何かに対して頑張って取り組もうという健気さが(サラサの視点も加わり)よく表現されているなと感じました。一方でアイリスはいわゆるやらかし属性のキャラなのですが、やらかし方やその時の謝り方(本当に悪気はない)が妙に癖になり、謎の面白さを生んでいたように思います。

他にも地味ですが毎話の収支報告(富豪刑事を感じます)やミニアニメ、その他公式からの謎動画など、本編以外でも楽しませようという気概を感じたところが良かったですね。

2クール以上作品

サマータイムレンダ

少年ジャンプ+』で連載していた原作作品を最後まで2クールでアニメ化した作品。前半はサスペンス風に進み、そこからバトル展開へと移り変わる、どこか懐かしさも感じる作品でした。

前半のサスペンスパートは敵の得体の知れなさの演出や情報開示が上手く、緊張感を持ちつつ視聴できました。後半になって謎が解けてくると空気が変わり、開示された情報を使ってどう敵を倒すかのパートに入っていきます。OPも2クール目からいかにもバトルアニメですという感じになるのはちょっと笑いました。

作品全体を振り返ると忘れられないのは「俯瞰」という単語。この単語そんなに使う!?というくらい使い倒されるので、日常生活で聞いてもこの作品を思い出してしまいそうです。

エピソードとしては緊張感のある序盤と、15話の圧巻のバトルパートが好きです。全体としては高クオリティなアニメ化でしたね。

ワッチャプリマジ!

佐藤順一氏が監督、『プリティーリズム・レインボーライブ』の坪田文氏がシリーズ構成を務める『プリティーシリーズ』のアニメ最新作。『プリティーシリーズ』は一通り観ているのですが、本作も独自の良さがある作品だったと思います。正直なところ終盤は諸々の事情も感じてしまいましたが

本作の軸は、魔法の力を使えないチュッピ(人間のこと)と魔法界から来たマナマナの関係性。特に主人公まつりとパートナーを組んだみゃむとの関係は、全体を通してよく描かれています。そこと対比になるのがまつりの憧れであるジェニファー、そしてかつてパートナーを組んでいたリューメです。ジェニファーはまつりとみゃむの関係にかつての自分たちを重ね、それが終盤重要になっていきます。

もう一つの軸は、プリマジスタ(プリマジのステージに立つ者)たちの個性の強さです。本作のメインのプリマジスタは当初5人+1人で、それぞれ個性が強く、各々がある程度独立したエピソードを重ねていきます。そんな個性の強さが上手く効いてくるのが3クール目のデュオ編で、一対一でお互いの個性を活かしつつ組み合わせたエピソードとライブステージを見せてくれます。坪田文氏がシリーズ構成を務めた『プリティーリズム・レインボーライブ』で個々のエピソードを展開しつつ3クール目でデュオ編に入ったのと重なる部分を感じました。シリーズを追っているとどうしても過去作の要素を見出したくなってしまいがち。デュオ編のステージはお互いの曲調を融合させた感じが全部良いのですが、特に『奇跡の降る』は中毒性があって好きですね。

エピソードで言うとやはりデュオ編の31話、33話、37話あたりが見所でしょうか。また最終回の一つ前の50話『キミがあたしにかけた魔法』は一年通して積み重ねてきたものが活きていて非常に良かったです。残念ながらアニメは1年で一旦終了ということになってしまいましたが、新作が作られることを期待したいですね。

*1:BanSheeは流石に2人以外は名前と顔、ユニフォームの番号だけ

*2:プリパラなどでは一時的に羽が生えて飛べたりします