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2022年上半期良かったアニメ/特撮

こんにちは。

2022年上半期良かったアニメ/特撮作品について書いていこうと思います。作品全体について書くと漠然としがちなので、お気に入りの1話を選んで少し踏み込んだ(本編の核心に触れない程度のネタバレを含む)感想も書くことにしました。特に気に入った作品は前に持ってきています。また、完結した作品のみ選んでいます。

2022年上半期良かった映画は↓

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明日ちゃんのセーラー服

となりのヤングジャンプ』で連載中の漫画の、CloverWorksによるアニメ化作品。私立蠟梅学園に入学した明日小路とその同級生たちとの交流を描く、青春学園物語。

CloverWorksといえば『ワンダーエッグ・プライオリティ』の美しいアニメーションが記憶に新しいですが、本作も素晴らしい出来になっています。細かな仕草、ダイナミックな動き、色遣い、光と影の使い方、などなど。原作漫画の挑戦的な構図の数々も、上手く映像に翻訳されています。丁寧な作画に加え、撮影処理が良く効いていますね*1

本作の主人公である明日小路は、生徒1人の小学校生活を送ってきました。そんな小路が、蠟梅学園で初めて友人を作り、友人と関わり、共に様々な(初めての)体験をしていきます。言わば、純粋なものに非常に近い存在である小路が、多くの人に影響を与えたり、また与えられていく物語です。アニメ公式サイトの登場人物/Characterを見てみると、私立蠟梅学園1年3組の16人の登場人物が並んでいます*2。本作ではこの1人1人について、少しずつですがしっかりと描かれていきます。明日小路はもちろん、周囲の人物も優しさ、思いやりに溢れているのが好きなところですね。

楽曲も良い役割を果たしており、特にOPが印象的ですね。重要な演奏シーンもあり、劇伴も作品に馴染んでいて自然でした。

原作もクオリティの高い漫画で、先のエピソード(特に東京旅行編)もアニメ化範囲とは一味違う雰囲気なので、こちらも非常にお勧めです。

第7話『聴かせてください

全話素晴らしく、木崎さんの回とも言える第6話、そして最終回第12話は特に良かったです。今回選んだのは、他の話と少し雰囲気の異なっていた第7話『聴かせてください』です。

第7話は、放送時には原作に存在しない*3アニメオリジナルでした。あらすじとしては、楽器演奏経験のない蛇森さんが小路に見栄を張ってギターを弾けると言ってしまい、小路の前で演奏することになってしまう、というもの。本作の各話の多くは、主に明日小路+その話の中心人物(たち)の交流で構成されますが、今回は小路と戸鹿野さん蛇森さんの交流に加え、寮の同室の戸鹿野さんと蛇森さんによるやり取りが印象的で、小路は今回主役ではないと言っても過言ではないかもしれません。戸鹿野さんと小路との交流は割とあっさりめですが*4、事情を知って戸鹿野さんなりに蛇森さんの背中を押してくれます。また、演奏直前で木崎さんの乱入演奏が入るのですが、この演奏描写の力強さと、「小路の知らない(ある意味で素の)木崎さん」を目撃してしまうのがまた良いです。そこで蛇森さんは帰ってしまおうとするのですが、ここで小路からサブタイトル「聴かせてください」の台詞が出ます(小路ならではの真っすぐさです)。蛇森さんの必死の演奏、それを真正面から受け止めて拍手する小路(眩しい)、終わった後の寮室での戸鹿野さんと蛇森さんのやり取りまで、隙のない素晴らしいエピソードでした。良いところを書いたら流れほぼ書くみたいになってしまいました。蛇森さんが良いところを見せたいのは小路の前だけど、ありのまま必死に練習する自分を晒せるのが戸鹿野さんのいる寮室というのが良いですね。

中国のbilibili動画で配信されていたアニメで、日本でも2022年冬に吹き替え版が放送・配信。「写真の世界(過去の世界)に入る能力」を持ったトキと「写真の世界の出来事を読み取る能力」を持ったヒカルの二人組が、写真に関する依頼を解決していく物語。二人の間のルールは、「タイムリミットは12時間」「ヒカルの指示に従い、過去を改変しない」「過去を問わず、未来を聞かない」。

本作の魅力は、過去と現在の間の謎の提示の仕方と、それが解決したときの気持ち良さです。トキが入ることができる写真は言わば「過去の一場面」であり、現在(過去から見た未来)との間には空白があります。過去の一場面をいくつも辿ることで「なぜその未来に至ったのか?」という謎を解決するというわけです。過去に戻って捜査できるタイプのミステリーですね。

また、「俺たちの店がオープンするよ~みんな見に来てくれよな!……ルー・グアンも何か言えよ」「あぁ……よろしく」と、連続ドラマのような雰囲気で始まるのも特徴的。EDのイントロは衝撃的な事実が明かされたタイミングで流れることが多く、非常に印象に残ります。

第4話『告白』

第2話は単発話としてまとまった良さがあり、終盤第11話第12話は素晴らしいクライマックスでした。今回選んだのは第4話『告白』です。

第3話から第5話までのまとまりの中間にあたる第4話。第3話で「バスケの試合後に撮った写真から、当時伝えられなかったことを伝えて欲しい」と依頼されたトキたち。依頼者は本来補欠で試合にも負ける予定だったが、トキが介入して過去を変えてしまったところから第4話が始まります。過去を改変したら現在も変わってしまうと散々警告されていただけに焦るトキでしたが、ヒカルは「分岐点さえ変わらなければ問題ない」と言います。依頼通りに伝えるべきことを伝え(ここで何を伝えたかはこの回では明かされない)、本当に現在に影響が出ないのか不安に思うトキ。写真から出ようとする前に、なぜ今回は過去と違う行動を取っても現在に影響がないのかに気づいてしまう……。時光代理人の面白さである「違和感の積み重ねから明かされる真相への納得感」がある、序盤の盛り上がり所のエピソードでした。

平家物語

監督を山田尚子、シリーズ構成/脚本を吉田玲子が務める、古川日出男訳『平家物語』のアニメ化作品。「未来を見通す目」を持つびわが、平家の栄華と没落を見届け、語り継いでいく物語。

個人的に源平合戦を描いた作品として印象深いのは、吉川英治『新・平家物語』、手塚治虫火の鳥 乱世編』でしょうか。『火の鳥 乱世編』は本作同様独自設定はあるものの大まかに忠実の流れに沿っており、また本作の描き方と重なる部分もあり*5、読むとより楽しめると思います。

「未来を見通す目」を持つびわは、先の歴史を知った視聴者と近い位置にいます。そんなびわの目を通して見る平家一門は、その時確かにそこに生きていたし、例え結末がわかっていてもその時の人々の生き様を見届けることには確かな意味がある。そういったことが、しっかりした演出と素晴らしい作画、音楽から伝わってくる作品でした。OPの歌詞で全て言ってしまっているようにも。

第9話『平家流るる』

全体を通して最も印象深かった第9話『平家流るる』を選びました。

第9話ではついに平家の没落が本格化、という感じで、平家は大宰府から追い出されてしまい、立て続けに忠実有名エピソードが続いて行きます。親交のあった者の死を目撃し、母との再会とともに自らにできることを見つけ、また1人の(美しく描かれた)死を目撃し、それらを語り継ぐ。歴史ものは原典からの取捨選択や整理が肝心ですが、ここを1話に濃縮する判断が良かったですね。

稀に見る豊作クールだった気がしています。

ヒーラー・ガール

Studio 3Hzによるオリジナルアニメ。歌で治療を行うヒーラーを目指す3人の見習いの物語。

本作の良さは、何と言っても登場人物が生き生きとしていることです。会話のテンポの良さと共に、構図も工夫されており、何気ないシーンも楽しく見ることができます。これぞアニメーションですね。ミュージカル風演出も光っていました。

メインキャラの1人の五城玲美は、強気で真っすぐだが思いやりもあり、いるだけで場を面白くする存在でした。関係性で言うと、烏丸音声治療院では藤井かな/五城玲美/森嶋響のいつもの3人組ですが、学校では藤井かな/矢薙ソニア/穂ノ坂しのぶの3人組になり、他の2人は別の学校なのが良いですね。

音声医学という架空の医学が普及している設定ですが、万能ではなく既存の医学と共存している設定で、割と地に足の着いた描き方だったのも好印象。

作中の劇伴や歌唱部分も全体的にクオリティ高くて良かったです。EDの静かに始まり段々盛り上がる感じが特に好きですね。

第3話『お掃除、ラン・ラン・ラン』

響の実家でひとときを過ごす第5話、文化祭でバンドライブ!な第7話、『メイドさんが大好きです・クビよ』のタイトルそのままの第8話、五城玲美……になる最終回第12話と、見所のあるエピソードだらけですが、今回選んだのは序盤非常に楽しかった第3話『お掃除、ラン・ラン・ラン』です。

仮免試験に向け、即興ミュージカルをしつつ対策会を開くかなたち。試験後は気が抜けてしまい、ミュージカル口調のまま町内運動会に参加することになり……?というエピソードです。Aパートでは掃除しながら問題を出し合い、Bパートでは走りながら言い合いをするなど、動きと歌の融合で非常に楽しい映像になっていました。Aパートの方は、建物の中を動き回るのが"空間"を感じて良いですね。Bパートでは周りがミュージカル口調に対してそこまで突っ込まないところや、玲美に張り合っているソニアも影響されていくところが面白さを生んでいます。また玲美とソニアは初対面ながらバチバチ行く一方で、しのぶが初対面の響に人見知り気味なのを察知するかななど、細かな関係性も良いです。本作の魅力が詰まった1話でした。

ビルディバイド -#FFFFFF-

アニプレックスのオリジナルTCGアニメの第2期。1期の感想はこちら(2期の話をすると1期の展開を察せてしまうので、未見の方はまず1期を見ることをオススメします)。1期の3年後を舞台とし、前作主人公蔵部照人の弟子である棟梨ひよりと双子の妹である蔵部菊花の二人を新たな主人公に据えています。

1期から数年後を舞台にして2期が始まるタイプのアニメが好きなので、2期をやると知ってから1期を追いかけた作品です。新しいOPに雰囲気を変えた1期のキャラがいたりすると、ワクワクしますよね。

2期では、受け継がれる意志と、新たに生まれる関係が描かれていきます。主人公の1人であるひよりは照人の弟子として意志を継ごうとし、もう一人の主人公である菊花は1期の出来事に負い目を感じています。そんな二人が共に戦い、その過程で互いを知り、関係を築いていく物語です。

さらに、1期で印象的な「願い」「道」の概念や「ここからが一番面白い」はさらに深掘りされ、「人は空のデッキケースを持って生まれてくる」「人とはカードゲームに似ている」と言った台詞まで飛び出します。しかしこれらが突飛なものではなく、作中の描写により確かな説得力を持っていたのが素晴らしかったです。

主要人物を一新した新作も作れそうな雰囲気で終わったので、新作も期待したいですね。

第17話『絆

お互いの呼び名に由来した題『花と鳥』で二人の関係に変化が見られる第15話、菊花と直光が自分を見つめ直す第21話、そして最終回第24話と名エピソードが多くありますが、今回は第17話『絆』を選びました。

タッグバトルをすることになったひよりと菊花。第15話で気持ちを通じ合えたはずのひよりと菊花でしたが、前回のある出来事がきっかけで、少しのすれ違いが生じ、菊花は「全部任せて」と言い出して……というあらすじです。二人別々に戦い、両者が展開するテリトリーが二人の間の境界のようにも見えてしまいます。しかしひよりは菊花に自分の想いを伝えるためその境界を踏み込え、至近距離で直接話をしに行きます。ひよりが、他の誰でもない、照人の妹としてでもない菊花個人に対して気持ちを伝えるここからの一連のシーンは、本作最大級の見所です。「私たちの道は私たちが決める!!」という、照人の意志を継ぐとともに、二人の気持ちが真に通じ合った台詞まで、まさに隙の無いエピソードでした。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会  2期

ラブライブ!シリーズ』外伝作品の第2期。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会と、新たなスクールアイドルたちの物語。

1期が綺麗にまとまっていた分、どう続くのか楽しみにしていましたが、1期の良さである個々の尊重、大好きを諦めないの精神を引き継ぎつつ、よりお互いを尊重し、自分の夢に向かって進む人たちを応援する、そんな素晴らしい2期になっていました。

1期からの本作の好きな点が、各キャラクターを多角的に描いてくれるところでした。1期の特に後半のエピソードでは、何となくこういうキャラクターかなと思っていたを個別回で新たな側面を見せてくれていました。2期でもそこは変わらず、スクールアイドル同好会に挑戦してきた鐘嵐珠が同好会の1人のファンでもあるところ*6を見せてくれたのがかなり好きだったりします。

ライブシーンも1期から引き続き力強かったです。また、1期に続いて2期もED曲が素晴らしく、イントロを聴きながら「今回も良かったな~」となっていました。

第1話『新しいトキメキ』

4人の想いが重なる瞬間が気持ちいい第2話、大好きを諦めない第6話、そして高咲侑の物語でもある本作において印象的な第8話、第13話。どれも非常に見ごたえがありましたが、今回選んだのは第2期の始まり、第1話『新しいトキメキ』です。

アニメが新シリーズに突入したとき特有の、新たに登場したキャラが大きなインパクトを残し、ここからどうなるんだ?みたいな雰囲気が好きです。例によって本作でも1話で新キャラクターの鐘嵐珠が即興でライブをするとともに同好会に挑戦状を叩きつけてきます。ライブのクオリティから格の高さを見せつけるとともに、「スクールアイドルはファンに夢を与えるだけでいい」と明確に言い切ってきます。逆説的には、この2期では「スクールアイドルとファンの、一方的に夢を与えるだけではない関係」を描いていくぞという宣言でもあるわけですね。各エピソードで色々な方向からそれを描き、結末へと至るわけですが、先陣を切って2期の方向性を示したこの1話は非常に良かったと思います。

エスタブライフ グレイトエスケープ

谷口悟朗氏原案のメディアミックス企画のCGアニメで、監督は橋本裕之氏。逃げたい依頼人を別のクラスタへ逃がす「逃がし屋エクストラクターズ」の活躍を描いています。

本作は基本的に1話完結型で、ルールや雰囲気の異なるクラスタ(街)を訪れ、依頼人を別のクラスタに逃がす形になっています。主人公チームには魔族やスライム人間、ロボ、獣人がいて個性豊かですが、一見普通に見えるエクアが一番謎めいているのがいいですね。1話完結のエピソードが縦軸に縛られすぎず、独立した(良い意味で)"変"な回で楽しかったです。一貫して「逃げ」を肯定する作風も気持ち良い。

谷口悟朗監督による劇場版も決まっているとのことで、そちらも楽しみですね。

第4話『民主主義から逃げられない

本作は中盤以降が特に楽しく、第7話第8話なんかはそれぞれ独自の良さがあります。終盤では第11話が見所でしょうか。今回選んだのは第4話『民主主義から逃げられない』です。

第4話は群人(スライム人間)のマルテースの回。脳内会議は割と見られる表現ではありますが、スライム人間が分裂すると人員を半分になる、というロジックが面白いですね。そこから自分同士の戦いになっていく、と。一見変なことをやっているようで中身はしっかりしている、そんな本作の特徴が出た1話だったのではないでしょうか。

マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 Final SEASON -浅き夢の暁-

アプリ『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』のアニメ化作品で、1st SEASON、2nd SEASONに続くFinal SEASON(全4話)です。

Final SEASONということで、2nd SEASONまでの謎が明かされ、結末まで描かれます。特に謎が明かされる部分は興味深く、本編の設定も活かしていてなるほどとなりました。オリジナルキャラクターの黒江にもしっかりと役割が与えられて良かったです。

アプリ版は未プレイですが、展開が異なるそうなので気になりますね。

旧作

放送から時間が経った作品は、核心に近いところまで触れてしまっているかも。

ビルディバイド -#000000-

2021年秋に放送した、アニプレックスのオリジナルTCGアニメの第1期。2期の感想はこちら。ビルディバイドの強さで全てが決まる新京都で、王を倒すため戦う蔵部照人の物語。

TCGアニメはこれまでそれほど見たことがなかった*7のですが、ルールをなんとなくしか知らなくても駆け引きを楽しめるように工夫されているな、というのを感じました。実際にプレイしたことも無いのですが、アニメにおけるビルディバイドの特徴は、テリトリー・バスターカード・ショットカードの3つでしょうか。テリトリーは他のTCGでも似たものがあると思いますがエースカードを召喚することで展開できる自分の領域で、絵的に映えるのが良いですね。お互いに最初はライフのカードが10枚で、削られたカードがバスターカードだった場合はさらにもう1枚ライフが削られ、ショットカードだった場合はその効果を発動できるというシステムです。運ゲー感があるようにも見えますが、攻撃されたタイミングで想定より多くライフが削られたり、逆に反撃のチャンスになったりと、見ている側に面白さが生まれています。TCGに多少の運要素はつきものですが、主人公の照人も運要素を多く含むデッキを使っており、物語としてもそれをある種肯定しているような感じですね。

また作中の概念「願い」「星」「道」や人物名がしっかり考えて配置されており、一通り見ると全体のまとまり具合、一貫性に驚かされました。話が進むと、OPの歌詞も作品とリンクしていることがわかってきます。

第1話『星に願いを

過去が明かされる第8話と第9話、1期最終回であり2期へと繋がる第12話とやはり後半に重要な話が盛り沢山だった印象。今回は、振り返ってみると色々な要素が既に仕込まれている第1話『星に願いを』を選びました。

TCGアニメの第1話なので、初見の印象では主に世界観とルール紹介のエピソードですね。見どころとしてはやはりバトルで、主人公らしくない「死と再生を繰り返させる」運要素の強い主人公のデッキと、決着の付け方の上手さから、ルールを始めて知った人にもなんか面白いかもと思わせるように作られています。また少し先の展開を知った上で見ると色々文脈が乗ってきたり、2期最終回にも1話を彷彿とさせる場面があったりと、先々のことを考えて作られていることがわかります。しっかり作ってある1話ですが、この1話を見ただけでは1期後半あれほど面白くなるとはなかなか予想できないのが難しいところですね。

ウルトラマンオーブ

2016年夏から秋にかけて放送され、メイン監督は『ウルトラマンZ』の田口清隆氏。「光の力、おかりします!」をキャッチコピーとし、歴代ウルトラマンの力を掛け合わせて変身する主人公、クレナイ・ガイの活躍を描いています。

本作の一つの特徴は、主人公自身がウルトラマンであり、防衛隊に所属していない風来坊であることです。風来坊という設定はウルトラセブンモロボシ・ダンが近いですが、ガイは防衛隊に入ることがないのが違いですね。個人的には、防衛隊に所属していてかつウルトラマンであることを明かしていない場合、ウルトラマンに変身する間は防衛隊としての仕事ができない点が気になったりするので、個人で動ける方が好みだったりします。ハーモニカを演奏するのも雰囲気があって良いですね。また、普段はぶっきらぼうですが、力を借りている歴代ウルトラマンに対しては敬意を払っており、ウルトラマンが描かれたカードに敬語で話しかけるところが面白くて良いキャラクターですね。

本作には、ジャグラスジャグラーという作品を通じたライバル的存在が登場します。リアルタイムで見ていた『ウルトラマンZ』にもこのジャグラーが登場し、そちらが非常に面白かったので本作も見ました。見る順番がどちらでもより面白さを感じられるので、両方見ることをお勧めします。

劇場版や過去を描いた外伝『THE ORIGIN SAGA』も近いうちに見たいですね。

第17話『復活の聖剣』

定番のニセウルトラマンが本物のヒーローになる第9話、強大な敵を前に光だけでなく闇の力も借りて変身する第12話、最終回第25話など、強敵と戦う回はもちろん、単発回にも名エピソードが多くありました。今回選んだのは、最終フォームお披露目回である第17話『復活の聖剣』です。

歴代戦士の力を借りて変身するオーブですが、序盤から「元々は自分の力で変身可能だったが、今は力を失っていて変身することができない」ことをジャグラーから匂わされます。すなわちウルトラマンオーブとは自らの力を取り戻す物語であり、そこに至るのがこの回というわけです。「力を借りる」というコンセプトから、途中は闇の力を借りて危険な中間フォームになったりしながらも、最後は地球での人々との交流や戦いを経た上で取り戻した「自分の力で」という流れが綺麗でかなり好きですね。

装甲娘戦機

レベルファイブダンボール戦機』の派生作品で、2021年冬に放送。現代日本から「装甲娘」として異世界に転移した少女たちの旅と戦いを描く物語。

ダンボール戦機のアニメはリアルタイムで見ていたので本作も気になっていて、後追いで見てみたのですが、良い意味で少し緩い独特な味があって素晴らしい作品でした。今ではアニメ公式サイトに繋がらなくなっていたり、dアニメストアAmazon Prime Videoでの配信が終わってしまったことが残念です。

第10話『この世界のために?

第7話スズノ回なんかも割と好きなのですが、あえて選ぶなら第10話『この世界のために?でしょう。

いわゆる総集編的な回なのですが、同時に本作でやりたかったことが示される回でもあります。主人公チームに漂う緩い雰囲気、各地で戦いながら観光もする姿勢、なかなか活躍しない主人公、それらにしっかりと意図があったことが明かされます。これまでの出来事を振り返るのが総集編ですが、少し目線を変えることで、同じ出来事も違った意味を持ってくるわけです。最終決戦を控えた主人公たちを素直に応援したくなるような、素晴らしい総集編回でした。


 

*1:撮影監督の方がTwitterで撮影処理の紹介をされています

*2:作中の教室の机の並び順になっているのが良い配慮

*3:後に原作でも該当するエピソードが描かれますが、少し趣が変わっています

*4:原作最新ではもう少し色々あったり

*5:影響を与えているのか、単に源平合戦あるあるなのかはわかりませんが

*6:同好会のアクリルスタンドを全員分買って並べていたところなど

*7:遊戯王デュエマを少しくらい